<幼児期の発達の心配>
幼児の場合、直ちに神経発達症(発達障害)かどうか診断しきれない場合が多いと思います。
医療機関でも、よほどトラブルが顕著でなければ、「様子をみましょう』で済まされがちです。
実際に、発達の心配が、保護者の方の取り越し苦労に終わる可能性もあるでしょう。
しかし、心配になった以上は、少なくとも定期的な評価とサポートはあった方が良いでしょう。
<さしあたっての対応>
・当院では、主に保護者のケア・こどもへの理解のサポート・接し方のトレーニングを
行います。
・こども自身の対応は、ひとまず療育が中心でよいと思われます。
お住いの地区によって異なると思いますが、行政の施設と民間の施設があります。
まずは習い事のような感覚で気楽にいくと良いでしょう。
・民間施設を利用する際に、補助を受ける場合は、受給者症が必要です。
そのためには医師の意見書が必要です(当院で作成できます)。
<就学前後の状況の変化>
・年齢が上がるにつれ、発達のトラブルがより顕著、より多彩になってくる可能性があ
ります。
・5歳くらいになると、子によっては、本人の自覚や困り感が出てくる可能性があり、そ
の場合は心理的ケアが必要になります。
・6歳になると専用の薬が使用できるようになります。
・多くの場合、就学後の相談先が見つかりにくいことが多いです。
<医療機関の役割>
・前述のように、最初は子自身の困り感はないですが、徐々に変化する可能性がありま
す。
よって本格的に困る前に、医療機関とのつながりを早めに持っておくことが望ましい
です。
・一般の小児科診療を受ける場合も、神経発達症について理解のある医療機関が良いで
しょう。
・身体疾患のケアも早めからきちんとやっておくことをお勧めします。
そうでないとケアに対して拒否的になって苦労することがあります。
・本人ではなく、保護者の方の心理的ケアや場合により漢方薬などの処方も可能です。