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当院の発達心理外来について

最初にきちんと伝えておこうと思いますが、

当院は、児童精神科ではありません。

 

私は、小児科専門医+公認心理師です。

なので、小児科+小児心療内科が受け入れられやすいか、と考えています。

 

ひとまず、発達やこころにトラブルのある方は皆対象にしていますが、

児童精神の専門病院に行くほどではないけど困っている方、

精神科に抵抗がある方、

身体的なトラブルも一緒に見て欲しい方、

などに特にご利用していただきやすいかと思います。

 

そもそも精神科と心療内科はどう違うかというと、以下のようかと思います。

 

・精神科:心のトラブルと、心以前に精神神経の不調を対象とする。

 主な対象疾患は、統合失調症、パーソナリティ障害、うつ病など。

 

・心療内科:心のトラブルと、それによって生じる身体の不調を対象とする。

 主な対象疾患は、心身症、うつ病など。

 

なかなかはっきりした線引きは難しいですね。

精神科医が心療内科の看板を掲げていたりしますし。

 

児童精神科医になるには、大きく二つのルートがあります。

小児科医が、精神を専門にするのか。

精神科医が、小児を専門にするのか。

私は、そのルートはたどっていない、ということになります。

 

私の経歴をお伝えします。

 

大学では、皆ひとまず小児科全般を学びます。

その後、それぞれさらに専門分野を持ちます。

私は、遺伝を専門にしていました。

遺伝はもちろん高度な遺伝子検査のコーディネートや難病の治療、

ケアを行うのも仕事ですが、

その中で遺伝カウンセリングが大きな位置を占めていました。

そこで物事をできるだけわかりやすく説明したり、

ご家族の心理的ケアを行うことの重要性を再認識しました。

また、難病の多くは、程度の差はあれ知的障害があり、

それに加え発達障害が見られることが多いので、

その診療にも当たっていました。

 

その後大学人事で小規模の病院に勤務しましたが、

小規模の割に長年心理外来を設置しているところでした。

そこでの患者は、発達心理のトラブルの程度としては軽かったと思います。

しかし、それらの患者さんが実は一番多く、

行き場がなかなかないのではないかと思われました。

複数の心理士と非常勤の児童精神科医と連携しながら、診療にあたっていました。

その間、猛勉強して公認心理師を取得しました。

 

そこに在籍中に、心理外来の患者さんの傾向を調べて学会で発表したのですが、

患者さんの半数以上は身体的なトラブルも抱えていました(心の問題から身体的な症状を訴

えていたり、もともと喘息、鼻炎、アトピーなどを持っていたり)。

心のトラブルもそうですが、そういった身体的な部分の治療もすると、

心も元気になって喜ばれ、手応えを感じました。

 

そこで、そういった方々のケアを行えるクリニックを作ろうと思った訳です。

 

最後にもう一度。

当院では、

ひとまず、発達やこころにトラブルのある方は皆対象にしていますが、

児童精神の専門病院に行くほどではないけど困っている方、

精神科に抵抗がある方、

身体的なトラブルも一緒に見て欲しい方、

などに特にご利用していただきやすいかと思います。

 

手にあまりそうなら専門機関に紹介します。

 

もちろん、バックグラウンドは小児科専門医なので、小児一般の方も広く対応しています。

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